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2015年8月27日 (木)

昔の原稿2001年11月版(会社で上司にサーバのメールを見られてしまったのだが?他)

2001年11月に書いた雑誌用の原稿です。ご参考までに。

なお、当時の法律等に基づいていますので現在の法律や判例、ガイドライン、解釈と異なる可能性があります。

あくまで「過去の原稿」ということをご了承ください。

Q05会社で上司にサーバのメールを見られてしまったのだが?
A会社側が従業員の私的メール使用を認めている場合にはプライバシー侵害となる場合もありますが、そうでない場合に必ずプライバシー侵害になるとはいえません。会社のメールは会社の業務に使われるために設けられているものであって、上司がサーバのメールを閲覧することは違法ではないと思われます。なお、上司のメール閲覧は有線電気通信法上違法になるという見解もあります。会社としてはメールに関するルールを確立し、正当な理由がある場合には従業員のメールをモニターすることがあるということを周知徹底させるべきですし、事前に従業員の同意をとっておくべきでしょう。

Q06Webの匿名掲示板の書き込みに著作権はあるのか?
A匿名であろうと掲示板の書き込み内容が著作物といえるのであれば著作権はあります。著作権法19条1項は、「著作者は(中略)その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。」と定めています。したがって書き込み内容に著作権があるかどうかは匿名かどうかではなく、あくまでも書き込まれた内容が著作物(思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲の属するものをいう。著作権法2条1項1号)といえるかどうかの問題になります。なお、匿名の場合、著作権法14条の著作者の推定がされませんので、著作者が実際にその著作物を創作したことを立証する必要があります。

Q11ニュースサイトにある記事をコピー&ペーストして自分のHPや掲示板に張るのは?(引用といえるかどうか)
Aニュースサイトにある記事が単なる事実の報道にとどまらない「著作物」であって、正当な「引用」にあたらない場合には違法です。まず、ニュースサイトにある記事が「著作物」といえるかどうかですが、単なる死亡記事のように「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」は、「著作物」とはいえませんが、通常の新聞記事のように内容の取捨選択、表現等に創作性があれば、「著作物」といえます。また、著作権法32条1項に定める「引用」といえるためには、引用する側の著作物と引用された著作物とが明瞭に区別できること、引用する側の著作物と引用された著作物に主従関係があること、著作者人格権を侵害するような態様で引用しないこと、出所を明示することが必要となります。

Q13アニメのページを開く場合、「著作権に問題がある場合には削除しますのでご一報ください」と書いておけば、絵は載せていい?
A著作者の許諾なく絵をホームページ上に公開するのは、著作者の複製権、公衆送信権を侵害するので違法です。データをサーバにアップロードし、アクセス可能な状態にしておくだけで違法になりますから、「著作権に問題がある場合には削除しますのでご一報ください」と書いておいたとしても、合法とはいえません。

Q20海外のサーバを利用している人は、日本の法律に従わなくてもよい?
A インターネット上で行われる行為についてどの国の法律が適用されどの国に裁判の管轄権があるのかは一概にはいえない問題です。日本から海外のサーバを利用している場合には日本の法律に従う必要がある場合もあります。例えば、日本から操作して海外のサーバに賭博場を開設するような場合には、賭博場開帳図利罪の実行行為の一部が日本で行われたと判断され、日本の刑法が適用される可能性がありますし、わいせつな写真を日本から海外のサーバにアップロードした場合にはわいせつ図画公然陳列罪に問われる可能性もあります。国内業者のインターネットを利用した国内向けの通信販売についても、景品表示法や訪問販売法などの適用が考えられます。

Q21いわゆる「放送禁止用語」(キ○ガイなどの差別用語等)をHPで使ってもよいか?
Aいわゆる「放送禁止用語」といわれているものは、あくまでも自主的な規制であってHP上で使っていけないということではありません。しかし、HP上で使用する場合には法律上の責任を問われなくても人に不快感を与える場合もありますので、注意して使う必要があると思われます。なお、具体的な人物と関連づけて使用する場合には、名誉毀損罪・侮辱罪が成立する可能性がありますし、民法上の不法行為責任が生ずる場合もあります。

Q22「無断リンクは禁止します」というサイトへ自分のHPから勝手にリンクさせると?
A、リンクすること自体は複製権や公衆送信権の侵害にはなりません。また、リンクされない権利というものは現在のところ法的な権利とはいえないと思われます。ただ、いわゆるネチケットには反することになります。なお、リンクが認められている場合でも、相手方の名誉を毀損したり侮辱するようなリンクは違法となる可能性があります。またフレームを利用する場合に相手方の同一性保持権(著作権法20条)の侵害となる場合がありますので注意が必要です。

Q32他人の個人情報(住所や電話番号など)を公開するのは?
A 現行法上は刑事上の責任は発生しませんが、プライバシー権の侵害として民事上違法となる場合があります。個人情報をHPに載せることは、それだけでは人の社会一般の評価を侵害することにはなりませんので名誉毀損罪は成立しません。しかしながら、氏名、住所、電話番号などの個人情報は、その人自身がコントロールすべきであると考えられており、本人の許可なく、何ら正当な理由なく個人情報を公開するのは、プライバシー権の侵害となり得ます。また、電話帳などで氏名・住所・電話番号が公開されているからといってHP上に公開してよいということにはなりませんので注意が必要です。

Q44WAREZソフトをそれと知らずにダウンロードすると?
A いわゆるWAREZソフトをサーバにアップロードすることは、著作権者の複製権、公衆送信権を侵害し違法です。ダウンロードすることはサーバから自分のコンピュータのハードディスクにプログラムを複製することになりますから、著作権者の複製権の侵害となるかですが、私的使用を目的とする複製は違法ではありません(著作権法30条)。したがって、私的使用を目的とする限りWAREZソフトをダウンロードすること自体は違法ではありません。違法ではないからといってWAREZソフトを積極的にダウンロードすることはやめるべきでしょう。

Q45WAREZソフトを違法と知りながらダウンロードすると?
A WAREZソフトと知ってダウンロードした場合でも、ダウンロードが私的使用を目的とする限り、Q44と同様に違法ではありません。なお私的使用を目的としないでダウンロードする場合には著作権法30条の適用はありませんので違法な複製ということになるでしょう。

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